2019/02/05
私立中高一貫校と公立中高一貫校の違い
私立中高一貫校と公立中高一貫校の違いとは
中学受験を考えているご家庭には様々な理由があります。高校受験を避ける目的や地元の公立中学校への信頼感の問題もあるようです。中学受験の中でも特に人気が高い中高一貫校への受験者数は毎年多くなっています。特に近年では公立中高一貫校の人気が高いようです。今回は、私立中高一貫校と公立中高一貫校の違いを説明していきます。この記事を読めば、中学受験で私立と公立の選択に役立つと思います。
【私立中高一貫校と公立中高一貫校を比較してみよう】
私立中高一貫校と公立中高一貫校は、「一貫校」という意味では双方にていますが、実際の中身は大きく異なります。ここでは、私立中高一貫校と公立中高一貫校の違いを説明したいと思います。どちらを受けるか決める前に知識として覚えておきましょう。
私立中高一貫校と公立中高一貫校
私立中高一貫校と公立中高一貫校の違いは様々な部分にありますが、私立と公立も更に細かく分類ができます。それぞれの種類を簡単に説明します。
私立中高一貫校
私立中高一貫校は、「大学附属校」「準大学附属校」「進学校」の3つに分類することができます。それぞれの特徴を簡単に説明していきます。
大学附属校
基本的に大学附属校に入学をした受験生は、高校卒業後に併設の大学に進学することを基本としています。併設大学への進学が容易になるので人気が高くなっていますが、難関国公立大学を目指すことを想定していない教育方針の高校も多いので注意が必要です。
準大学附属校
中堅私立中高一貫校に多く存在する準大学附属校は、高校卒業後の多くは他大学への進学を希望する傾向がある中高一貫校です。私立準大学附属中高一貫校の中には、併設大学への推薦を確保しながら他大学へのチャレンジも可能になっていることもあります。
進学校
私立進学校は、併設大学がない私立中高一貫校のことで原則的に大学受験が必要になります。私立進学校の卒業後は、難関国公立大学を目指す生徒が多くなっています。私立中高一貫校の中でも最難関と呼ばれる中学校の多くは進学校が多くなっています。私立中学受験の学校選択時には、偏差値よりも校風を重要視する理由のひとつはこの部分も関係しています。この他に私立中高一貫校には、共学校だけでなく男子校と女子校が存在します。特に女子校は公立中高一貫校にはありません。
公立中高一貫校
私立中高一貫校は、主に大学受験の有無などが分類の理由になっていますが、公立中高一貫校は異なる分類方法になっています。
中等教育学校(6年生型)
近年の中学受験で最も注目されている公立中高一貫校は「中等教育学校」になります。前期3年・後期3年の6年一貫教育を基本としているので中学と高校の区分けがありません。高校での募集もありませんが、中学入試の倍率はかなり高くなっています。今後最も多くなる可能性がある公立中高一貫校です。
併設高校タイプ
地元の県立高校や市立高校の併設校として中学校を新しく併設しているタイプの中高一貫校です。公立中高一貫校のスタートはこのタイプが多くなっています。中学への入学には、私立同様に受験で合格をする必要があります。また高校での募集もおこなっているので高校3年間は新たな生徒が増えることになります。
中学高校連携タイプ
地元の公立中学校と公立高校が連携をしているタイプの中高一貫校ですが、厳密には中高一貫校と言えるかは多少疑問もあります。中学入学時は、特に入試は必要がありません。高校への進学時に推薦枠や簡単な入試で入学できる特徴があります。
私立中高一貫校と公立中高一貫校の違い
私立中高一貫校と公立中高一貫校の違いを説明していきます。特に保護者や受験生が気になる部分を簡単に比較したいと思います
授業料
中学校は義務教育なので基本的に公立中学校は授業料がかかりません。一方私立中学校は授業料の他に入学金や諸費用が必要になります。授業料を含め中学校3年間で公立中学校は、約39万円程度となっていますが、私立中学校は約280万円となっています。高校に関しても、同様に授業料など費用の差額が3年間で100万円以上あると言われています。ただし、高校はご家庭の所得によって就学支援金制度があります。どちらにしても、公立中高一貫校と私立中高一貫校では、必要な費用は大きな差額になります。私立は学校によって異なりますので事前に確認をする必要があります。
授業内容
私立中高一貫校は、学校独自の教育方針が最大の特徴だと考えられます。特に難関進学校の多くは大学受験を視野に入れたシラバスを取り入れています。公立中高一貫校は、開設当初はあくまでも中学校は中学教育をおこない高校でも大学受験を意識している教育方針ではありませんでした。現在の公立中高一貫校は、学校によって難関大学への進学実績を意識するような教育方針に変わっている傾向があります。
部活動
部活動に関しては、一概に比較をすることは難しいと思います。確かに私立中高一貫校の中には全国レベルの部活が多く存在しています。私立と公立という目線で比べれば、実績面は私立が勝るのではないかと思います。部活は、個々の考え方によって基準が変わるので良いか悪いかの比較はできません。
私立中高一貫校と公立中高一貫校の進学実績の違い
私立中高一貫校と公立中高一貫校の進学実績の違いを比較するのも難しいというのが本音です。単純に上位クラスだけで比較をすると私立中高一貫校が勝っていることになります。例えば早慶などの実績を考えると、附属校からの進学実績がある大学附属系列のある私立中高一貫校が圧倒的に有利になります。全体的に比較をするとどちらが良いかは判断できないのが素直な答えです。こればかりは、本人の力が大きく影響すると考えられます。
【私立中高一貫校と公立中高一貫校の受験対策と向き不向き】
私立中高一貫校と公立中高一貫校の受験対策には違いがあるのでしょうか?確かにどちらかを上手く併願できれば理想的な併願パターンだといえます。ここでは、私立中高一貫校と公立中高一貫校の受験対策やお子さんによる向き不向きを考えていきます。難しい中学校が必ずしも最適という訳ではありません。
私立中高一貫校と公立中高一貫校の入試制度の違い
私立中高一貫校と公立中高一貫校では、同じ中学受験でも出題される入試問題の傾向や対策方法が全く異なります。私立中学校の多くは、国語・算数・理科・社会の4科目が基本的な入試スタイルになっています。学校によっては、国語・算数の2科目受験もおこなっています。その他にも英語や特定の科目を取り入れることで個性的なスタイルを入試にも取り入れています。出題範囲は完全に小学校範囲を超えているケースも少なくありません。一方、公立中高一貫校の入試問題は、適性検査として複合問題が出題される他に作文などを取り入れている傾向があります。
私立中高一貫校と公立中高一貫校の対策の基本
私立中高一貫校の受験を考えるのであれば、志望校に適した水準の学習をする必要があります。難関私立中学校の場合は、公立小学校の教科書では全く対応できません。公立中高一貫校の入試は、適性検査がおこなわれます。出題範囲は教科書の中におさまっていますが、思考力を試される問題が多くなっています。私立中高一貫校と公立中高一貫校では、問題の形式やスタイルが異なりますが、どちらも学習した範囲の中で思考力を試される出題が多くなっています。どちらも自宅学習で受験は可能ですが、必要に応じて塾や通信教育などの受験対策が必要になります。特に私立難関校の受験には塾の力が必要になると考えて間違いありません。
実際に受験をするなら私立と公立どちらがオススメ?
私立中高一貫校と公立中高一貫校のどちらがオススメか?と聞かれたらお子さんの性格によって異なるというのが素直なこたえだと思います。大学附属校や女子校に通いたいというお子さんは、私立中高一貫校がオススメになります。厳密には公立中高一貫校では不可能だということです。また、個性豊かな教育方針を求めるのであれば、やはり私立中高一貫校が良いと考えられます。特殊な部活動に入部をしたいというお子さんも私立向きかもしれません。
【まとめ】
今回は、私立中高一貫校と公立中高一貫校の違いに関する説明をしました。本来は可能な限りお子さんの好きな中学校に進学できることが理想です。中学受験の現状は、私立中高一貫校だけでなく公立中高一貫校の入試も難関だと考えて間違いありません。私立中高一貫校と公立中高一貫校のどちらを受験するにしても事前の対策をする必要があります。親御さんは早い時期から様々な角度から調べることをオススメします。